@inproceedings{oai:meigaku.repo.nii.ac.jp:00002668, author = {岡部, 光明 and OKABE, Mitsuaki}, month = {2018-05-16}, note = {現在の主流派経済学は、人間の行動動機について単純な前提(利己主義的かつ合理的に行動するという前提)を置くことによって理論の精緻化・体系化を進めるとともに、様々な政策提案を行ってきた。しかし、人は単に個人として生きるだけでなく、個人相互間の継続的関係が重要な意味を持つ社会的存在であることを認識する必要がある。その点に着目すれば、経済学の発想とその理論体系は相当異なるものになり、また公共政策論も単に効率性向上のための規制撤廃論に終わることなく人間性を持ったものになる。 本稿は、そうした視点に立った前著(岡部 2017a)とその要点紹介論文(岡部 2017b)を幾つかの面で発展させたものである。それは結局、経済学の祖アダム・スミスが説いた人間観を基礎とし、その上に展開する経済学ないし社会科学にほかならない。 本稿の主要論点は、以下のとおり:(1)アダム・スミスは市場機能を高く評価しただけでなく、それと同時に道徳や幸福など人間への深い洞察をしている、(2)これは人間を社会的存在とみる視点であり、現代主流派経済学はこの原点に立ち返ることによって新たな視野(例えば市場と道徳の相互作用など)が拓ける、(3)現代の経済学者・哲学者アマルティア・センが提唱した潜在能力論(capabilities approach)は人間の潜在能力の認識とその活用においてスミスの思想を継承している、(4)その発想を個人の生き方と社会問題の解決に対して援用したものと解釈できる一つの実践哲学(高橋 2017 他)が提唱されており今後その発展が注目される。}, title = {アダム・スミスに還れ!─市場・道徳感覚・人間の潜在能力}, year = {} }