@misc{oai:meigaku.repo.nii.ac.jp:00003143, author = {岡部, 光明}, month = {2019-11-22}, note = {現在の主流派(新古典派)経済学では「人間はそれぞれ選好を持ち利己的に行動する」と前提されている。その前提は分析上便利であり、そこから導かれる政策論もたいてい単純明快なものになる(例えば市場機能の活用と規制撤廃)。しかし、人間をこの視点だけから捉えるのは一面的に過ぎる。人間は相互のつながり(社会的ネットワーク)の中で生きる存在であり、相手のことを視野に入れたうえで行動する一方、他者から影響を受けて行動をする場合もある。本稿では、最近のネットワーク科学を踏まえつつ、人間のつながりの意味とその帰結を多面的に考察した。 主な論点は次のとおり。(1)人間がつながりを持つ(社会的ネットワークを形成する)のは人間の本性に起源を持つ、(2)そうした認識は多くの領域(進化論、遺伝学、生物学、行動科学等)の研究によって支持されている、(3)人の考えや行動はネットワークから影響を受ける一方、逆に他人に対しても影響を与える(但しいずれも「三段階の隔たり」まで)、(4)社会的ネットワークは人間の利他心を生み出す一方、人間社会が能力を発揮するための共有資源(社会関係資本)を創出する、(5)方法論的個人主義に立脚している主流派経済学ではこれらが考慮されていないので今後視野を拡げてゆく必要がある(三部門モデルはその一つの方向である)。}, title = {人間の社会的つながりと利他性:主流派経済学の盲点}, year = {} }